【オンライン】【高校生専用】なぜ社会に参加せねばならないのか
※高校生対象の申込ページです。
高校生のための 大学授業体験シリーズ
なぜ社会に参加せねばならないのか
当講座は、東京都立大学の教員による高校生のための講座です。大学で研究・教育に携わる教員が、オンラインで講義します。文系・理系を問わず、ジャンルは多岐に渡りますので、興味ある講座を積極的に受講してみてください。
高校生のみなさんのうちには、すでに投票権をお持ちの人もいるかもしれません。投票に行けと言われても、どうせ社会は変わらないのに・・・と当惑している人もいるでしょう。また、50-80問題等、「ひきこもり」が社会問題になっています。問題になる以上、それはできれば避けたいものという前提があるようです。私たちはなぜ社会に参加せねばならないのでしょうか。逆に、「意識高い系」が揶揄されたり、「忖度」の不健全性が指摘されたりすることからも、社会への過剰適応にも何かしら問題があるように思われます。本講義では、人間が「社会的」であることの意味と是非を哲学的に考察します。
●「人間は社会的動物である」のか?
「人間は社会的動物である」。アリストテレスの有名な言葉です。「私」を掘り下げていくと、その岩盤に「私たち」が存在しているということです。それはひいては、複数の個人を「足し算」していくと社会が出来上がるのではなく、社会から何かを「引き算」していくと個人が現れるという発想につながります。独りで自習しているよりも、みんなで図書館で学習しているほうが頑張れるとするなら、「社会あってこそ私」という発想は説得力をもちますね。他方で、それは悪しき全体主義の発想であるようにも思われます。「私」はかけがえのない個人、「世界で一つだけの花」であるという考えと矛盾してしまうのでしょうか。これに回答するためには、「私」とは何か、「社会」とは何かという大きな問題を避けて通ることはできません。この難しい問題に、一緒にとりくんでみませんか。
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