【オンライン】英語で読む数学 その8
英語で数学の本を読みます。数学特有の言い回しや数学用語を学ぶとともに、正確に読む訓練をします。正確に読まなければもはや数学ではないからです。そのためには、文の構造を理解し、主語と動詞をバックボーンとして、そのほかの部分がいかに肉付けしているかを見分ける必要があります。それには確実な文法知識が必要ですので、定冠詞と不定冠詞の使い分け、関係代名詞、分詞構文などいくつかの文法事項の復習も読みながらしていきます。文法といっても数学の本を読むだけなら必要事項は多くありませんのでご心配なく。また、一般に数学の本の読み方についても話します。
テキストはダニエル・ソローの名著『証明の読み方・考え方』第6版の「第17章 定義の作り方」の抜粋を読みます。
予備知識は特に必要とせず、やさしい内容なので、初めての方も歓迎です!
ソローの本は、証明問題をその中にある「キーワード」によって分類して、証明をどのように始めて、進めていけばよいかという、考え方の明確な指針を示してくれます。証明のしかたを整理して見事に言語化したこの本は、数学者が読んでも引き込まれます。
最初は名著とされていた初版の復刊の予定でしたが、原著出版社の希望により第6版の抄訳になりました。コンパクトな初版に比べて、第6版は倍近いページ数になりました。新訳では最も重要でこの本の顔となる証明問題の解き方・読み方の部分に限りましたが今回読む部分は、翻訳で省かざるをえなかったおまけ(ボーナストラック)の部分です。多くの対象の中から、共通する性質をもつものを扱おうとするとき、きちんと「定義」をしておくと証明に役立ちます。たとえば、平面内に描かれた円を思い浮かべましょう。図はイメージをつかむのに役立ちますが、証明をするには円の定義をすることが必要です。いったん平面内の円の定義を確立したら、それを3次元(球)、n次元、(果ては無限次元)に定義を拡張することができます。
講座の進め方は、講師が解説しながら訳していくことを予定していますが、受講者の方々が訳してくださるのは大歓迎です。
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備考
使用書籍
『How to Read and Do Proofs』
第6版Daniel Solow著(Wiley)