野性のヒト身体機能[Wild Life野性共棲回帰論Ⅱ]:
健康のために様々な運動をする方が増えている。身体を動かすことは健康を維持する上で大切な要素であり、理想とする強く美しい心身をつくりあげるためにヒトの日常生活と密接に関わっている。人間が生来的に生活を営む上で実践してきた活動を見直してみたい。
人間は野生の中で他の生命体と共生して生きていく中で進化してきた。だが、文明と文化の発展は人間を弱体化させている。ヒトはなぜ跳べなくなったのだろう。なぜ洋服を着て、なぜパンツを履き、なぜ靴を履くのだろう。なぜ二足で歩くのだろう。どうやって歩くのだろう。なぜ太るのだろう。なぜそんなに食べるのだろう。なぜ運動しないのだろう。なぜだろう。多くの疑問が湧いてくる。
生体は全体として調和したシステムとして機能している。生体機能を微視的な器官として理解を深めていくことも大切だが、身体を一つの生体システムとして巨視的に考察して現象の基本を理解することを忘れてはならない。ヒトの直接の祖先であるホモ・サピエンスが地球上に現れたのが20万年前だとすると、40億年前から生物が存在している地球の歴史において、ヒトはほんのわずかな期間しか存在していない。人間は、楽な生活を追い求め、経済的な利益を産み出すことを要求しているエゴイストである。人間のエゴによって人工的に作り出された環境が皮肉なことに人間を弱体化、家畜化させ、様々な病に罹る危険性に晒している。
ヒトが本来持つ生体機能の大切さや可能性を身を持って感じ、それを実験で得られた知識とともに理解してみたい。
本講座では、生きるために運動することは具体的にどういうことなのか考え、現代社会の健康に必要な運動について考えてみたい。研究で得られた結果を元に、実践的なフィールド体験をすることで、机上の理論だけにならず、経験を伴う知識の獲得を目指す。人間が生活や移動(旅)の中で得てきた体験、科学的な実証事例による知識、歴史的真実による情報、これらを相互に理解して、精査することで、未来へ活かせる知恵として真理を探究していきたい。例えば、裸足(草履・草鞋、地下足袋、ワラーチ[huarache:メキシコ山岳原住民の履くサンダル])で、自然の中を歩き走り体を動かし、地べたに坐ることで、ヒトが本来もつ身体機能について実感、再発見する。実験によるデータサイエンスだけに寄り添うのでなく、現実の生活や生態にどのような意義があるのかを自ら体感・経験することでその先の生や死をscientist科学者ではなくphysical philosopher自然哲学者として見つめていきたい。
テーマ:美しき惑星・地球で生きることとは。進歩は善ではない。
<<<実践環境運動生理学>>>
Ⅰ.樹に登ること:四足で歩いていますか。
Ⅰ.立つこと:ヒトはどうやって二足で立つことができるのだろうか。
Ⅰ.歩くこと:ヒトはなぜ二足で歩くのだろう。
Ⅰ.座ること:しゃがんでいますか。
Ⅱ.走ること:ヒトはなぜ運動をしなくなったのだろう。
Ⅱ.息をすること:ヒトはなぜ呼吸をするのだろう。
Ⅱ.汗を掻くこと:ヒトはなぜ服を着るのだろう。
Ⅱ.食べること:ヒトはなぜそんなに食べるのだろう。
Ⅲ.足・腰を鍛えること:毎日、日常的に運動をしていますか。
Ⅲ.考えること:ヒトは歩き考える葦である。
Ⅲ.靴を脱ぐこと:ヒトの足の構造・機能と靴の役割とはなんだろう。
Ⅲ.旅すること:歩くことの実用性とはなんだろう。
※2日(4回)の講義を通して本テーマを解説する講座です。
※各回ごとに必ずしも完結しないことがあります。
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