【アーカイブ】公共政策リスキリング講座Ⅱ
本講座は,公共政策リスキリング講座として開設するものであり,行政と何らかの関りを持つ人や公共政策に関心を有する人を対象とし,国・自治体が実施する公共政策について,その背景となる社会事情や制度を講師が解説し,新たな視点から公共政策を考えてみることを目的とする講座である。
住民に身近な法制度を,住民のためにどのように利用していくべきなのか?このシリーズは,このような問題意識の下で,「入門 行政法と地方自治法」というテーマを設定した。専門的な予備知識は必要とせず,行政の仕事に関心を持つ人であれば誰でも理解できる内容を提供する。
市民の日常生活は様々な行政サービスに取り囲まれているが,行政サービスの基礎的なフレームとなるのは法制度である。そしてその中でも最も広範に住民生活と結びついている法分野は,個別行政法の基礎となる行政法と地方自治法である。そこで,本講座では,行政法では具体的な紛争となることも多い行政指導,地方自治法関連では,条例,住民訴訟及び住民投票の3つをテーマとして採り上げる。
第1回は,「行政指導の何が問題なのか?」をテーマとする。行政指導は,我が国では高度に練り上げられた行政手法であるが,この用語自体がネガティブなイメージで用いられることも多い。それでは何が問題になっているのか,問題点を踏まえて,市民は行政機関に何を求めればよいのか,行政機関はどのような点に留意するべきなのか等の点について考えてみる。
第2回は,「条例とはどのように創るのか?」をテーマとする。現在,条例は自治体の執行機関により立案され議会に提案されることが多いが,自治体はどのような発想や手順で条例を立案しているのか。また,地方自治法の直接請求に基づいて市民が条例を立案することも可能であるが,どのような点に留意するべきなのか等について考えてみる。
第3回は,「住民訴訟」をテーマとする。住民訴訟は納税者訴訟とも呼ばれ,市民の視点から自治体の支出の適正性を求めることを通じ,自治体の行政活動をチェックする仕組みである。我が国で盛んに活用されている現状を踏まえ,住民自治の観点から,どのような制度活用が最も効果的であるのか等の点を考える。
第4回は,「住民投票」をテーマとする。現在,条例に基づく住民投票は盛んに活用されているが,どのようなテーマに対し,住民投票制度は最も効果的に活用し得るのか,及び自治体としてはどのように制度を運用していくことが中長期的な住民の便益に資するのかという点を中心に,今後の制度運用を考える。
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