2024年10月1日(火)〜2025年3月31日(月)
【アーカイブ秋期】記紀神話の深層Ⅱ
※本講座は2024年度春期講座として、2024年4月26日に実施した講座のアーカイブ講座(すでに実施した講座の録画をご視聴いただく講座)です。
母と子に宿る聖なる呪力を信じ、祭祀の対象とする母子信仰は、カトリックの聖母マリア信仰をはじめ、世界各地に広く見られます。日本でも鬼子母神や子育て地蔵、観音信仰の中に見出すことができ、記紀では神功皇后と応神天皇が聖なる母子として語られています。父の不在ゆえに深く結ばれた母子の絆は、神話や伝承の重要なモチーフとなっており、例えば『常陸国風土記』の晡時臥山(くれふしやま)伝承や『播磨国風土記』の荒田伝承のような、父なくして生まれた子と母の物語に引き継がれていきます。それはまた、不義の子を宿したむすめがうつろ船に乗せられて流される、うつろ船伝承へと発展していきます。
そのような聖なる母子が古代日本文学の中でどのように語れているのか、母胎回帰をキーワードとして紐解いてみたいと思います。
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教養・文化